謎のアニメ感想家(笑)、翼の騎士トーノZEROのアニメ感想行ってみよう!
今日の鉄人28号の感想。
サブタイトル §
第25話 「黒部の危機」
あらすじ §
金田探偵事務所に、官房長官も含め、敷島らを迎えてすき焼きを食べます。そこで、敷島は過去の経緯を語ります。
グラサン男は、ベラネードと対立する国の者で、敷島は誘いに乗るふりをしようとしますが、取り込まれてしまいました。
そして、クロロホルムやニコポンスキーに変装して、様々な活動を行っていたのでした。
敷島は、グラサン男に命じられて精製したバギュームを持っていました。
ベラネードは戦争を始めようと決意し、黒部のオックスを全て東京に向かわせようとします。
東京ではPX団が金田探偵事務所を襲います。
敷島のオックスが、ファイヤー3世を迎え撃ちますが、エネルギーが残り少なくなっていました。
官房長官は、日本にとって黒部のダムは大切だ、それが失われればまた暗闇に逆戻りだと言い、鉄人にダムを救ってくれるように訴えます。
オックスの大軍に鉄人で勝つ方法が1つだけあると敷島は言います。それは、鉄人にバギュームを入れ、完全な太陽爆弾にする方法でした。それによって、鉄人のパワーは飛躍的にアップすると言います。しかし、そのあと、兵器となった鉄人は溶鉱炉で溶かさねばなりません。
正太郎は反対しますが、村雨は自分でやると言い、操縦機を金田邸に取りに行きます。
黒部のオックス達は、命令通り東京に向かわずベラネードの方に向かいます。
感想 §
抑止力としての鉄人、そして太陽爆弾。
まさに、この時代の兵器らしい時代性ですね。
イラクで行われたような、ちまちまと小さな目標を確実に破壊していく戦争は20世紀後期のスタイルであって、この時代は原爆から水爆へと続く何もかも破壊する大破壊力兵器を競う時代です。そして、あまりの破壊力の大きさゆえに使うことができず、兵器が抑止力となってしまった時代でもあります。そこで、地球さえも破壊してしまう太陽爆弾の存在は、まさに究極的な抑止力となります。それを日本が持つなど、到底他国は承伏できないでしょう。だからこそ、外国人が多数入り込んで官房長官が翻弄される展開にも説得力があるというものです。
このような状況で、もはや鉄人28号というロボットは主役とは言えませんね。鉄人は太陽爆弾の入れ物でしかない、という状況は確かにあります。
そのような状況認識の中で、戦争という過去の罪を意識し、その清算を必要と考える大人達。それに対して、そのような思いを共有できずに子供っぽく反対を唱える正太郎。まさに、どうしても子供が突き破れない子供ならではの限界と、解き放たれることがないしがらみを持ち続ける大人の限界が対立しています。
そんな状況でも、我が道を行く村雨はとても格好良いですね。
今回の一言 §
いちばん良かったのはボロアパートでのすき焼きです。立派な博士である敷島、元警察署長の大塚、そして現役の官房長官が、こんなボロアパートの一室ですき焼きパーティーとは、あまりに味がありすぎます。
更に、PX団に襲撃されて、咄嗟に天井裏に隠れる行動もナイス!